酒にまつわる昔話
【Zhener】今回は「酒虫」を紹介します。著書は蒲松齢で、例によって「聊斎志異」から。
【Mermaid】ふむふむ。しかし妙な名前ですね。それではお願いします!
大酒飲みの富裕層
【Zhener】(山東省)に住む劉さんは大酒飲みで毎晩甕で飲んでいた。裕福な土地持ちで酒専用の田畑を持っていた。が、それが無駄に思えるようになってきた・・・。ちなみに彼は太っていました。
【Mermaid】普通お酒飲みはやせるんですけどね・・・まぁ飲むのも食べるのも好きだったのでしょうか。
【Zhener】そこに怪しげな坊さんがやってきた。劉さんは彼に「身体に異常はないか?」と尋ねられた。「ない」と答えると、坊さんは次に「酒が飲みたくて仕方がないか?」と尋ねた。彼は「ある」と答えた。
【Mermaid】まぁそうでしょうね。
坊さん、”酒虫”を取り出す
【Zhener】坊さんは劉さんに「それは酒虫の仕業だ」と伝え、それを取り出そうと提案してきた。劉さんはそれに乗る。坊さんは劉さんの手足を縛って拘束し、鼻先に酒の甕を置いた。
【Mermaid】お酒飲みの劉さんには耐え難いでしょうね、こんなことして。
【Zhener】えぇ。「お酒を飲みたい」という劉さんの気持ちがMAXに達したその時、彼の口から何かが飛び出した。そしてそれは酒甕に落ちた。
【Mermaid】それが”酒虫”なのですか?
【Zhener】人魚ちゃん、もうちょっと我慢して。三寸(about 9cm)くらいの赤い肉の塊で、目も口もないのに酒甕の中を魚のように泳いでいた。
【Mermaid】何だか不気味ですねぇ・・・。
【Zhener】坊さん曰く、これが”酒虫”。水(多分真水)に入れておくと出汁が出て・・・もといいいお酒ができるらしい。
【Mermaid】なんだか寄生虫みたいな気もしますが・・・そんなもんなんですか・・・。