This story is love story, that is millioner's daughter & poor man.
【Zhener】今回は「聊斎志異」から"Ābǎo"(『阿宝』)を紹介します。裕福な商人の娘と貧乏書生、しかもバツイチ(死別だが)がくっつくというありえないこと!まぁ小説だから構うまいか、ねぇ姐々?
【Bainiang】そうですね真児、でも裕福かどうかだけで結婚が決まったらそれは面白くないでしょう?今回は私が紹介をします、よろしく。
やもめの男の縁談
【Zhener】それでは、姐々はりきってどうぞ!
【Bainiang】広西省にSūn Shichú(孫士楚)という男の人がいました。彼は学問に通じ、また大変真面目な人物でした。しかし同時に貧しく、また融通が利きませんでした。また、何故か手に指が六本ありました(左右どちらかは不明)。現在は妻とは死別していて独身の立場です。
【Zhener】六本指?楽器か剣術でもやればよかろうに・・・聊斎先生の考えではこれらは値打ちが低いんだな・・・。
【Bainiang】男性の主人公が士楚さんならば、女性の主人公もいます。彼女の名前はĀbǎo(阿宝)(姓は不明)。成功した商人の娘さんで大変な美人です。現在彼女はお婿さん探しをしています。
【Zhener】なるほど。でも立場や経歴考えたら、士楚は阿宝の選択肢にはならない気がする。
【Bainiang】確かにそうですね。阿宝さんの父は相手にしませんでした。また彼女は「士楚さんが第六指を切ったなら」と冗談を言いました。そして彼はそれを真に受けて、その指を切り落してしまうのです。
【Zhener】え?彼、マジでやったの?
【Bainiang】はい。士楚さんは激痛で失神して数日寝込んでしまいました。阿宝さんもその話を聞いて驚きましたが、今度は「コケが治ったら考える」と言い出し士楚さんを怒らせてしまいました。
士楚の魂が肉体から離れる
【Zhener】う~ん・・・私はどうもこの阿宝とかいう娘は嫌いだな。
【Bainiang】真児の言いたいことはわかります。基本必要なかったとはいえ「指を切り落としたら」なんてことはもう冗談では済まないですから。
【Zhener】だからといって「謝罪のために結婚する」訳にもいかないからなぁ・・・。おっといけない、話に戻りましょう。姐々どうぞ。
【Bainiang】流石に士楚さんも熱がさめました。それから後の清明節。墓参りに出かけた士楚さんは阿宝さんを初めて見ました。大変な美人だったので彼の身体から彼の魂が抜け出てしまいました!
【Zhener】あららら。でも魂が抜け出るってことは"The Fisherman and his Soul"の光り物人魚よりも美人だったんだな(笑)。
【Bainiang】士楚さんの魂は阿宝さんの夢の中にまで入ってきました。彼女はその現象を不思議には思いましたが、ことがことだけに誰にも言えない。士楚さんの家族が彼の魂を呼び戻したいと阿宝さんの家族に伝え、そこから二人の交流が始まるのです。
【Zhener】へえ・・・分からんもんですねぇ。
【Bainiang】魂が身体に戻った士楚さんですが、それからずっと阿宝さんに夢中でした。飼っていた鸚鵡が死んだら、それに乗り移って彼女のもとに飛んで行ったり。・・・取り敢えずはここまでにしましょう。
一途な男の一途な想い
【Zhener】この孫士楚、融通が利かないけどそれ故か一途だねぇ・・・実際にいたら周囲は大変だろうけど。
【Bainiang】えぇ、その融通の利かなさ・不器用さが後に成功や幸福をもたらします。
【Zhener】その一方で、タイトル名になってるヒロイン阿宝の影がイマイチ薄い。いけすかないお嬢から心境の変化はあるんだけど、それほど目立ってないなぁ・・・。
【Bainiang】あくまでも主役は士楚さんでしょうから。