"The Fisherman and his Soul" is explained.

The Summit of Mermaid

【Zhēnér】人魚ちゃん、一般的にはあなたの叔母様が”人魚の頂点”ってことになってるのよね?


【Mermaid】どうやらそのようです。叔母様は世界中の人魚に敬愛されているようです。世界の全てを知っているわけではないのですが。そうそう、彼女たちの間では白先生は叔母様に比肩する存在とされていますよ!大体の人魚の国や地域で国賓待遇ですから。


【Zhēnér】・・・まぁ妹としては悪い気はしないけどねぇ・・・アタシはその彼我の差を切なく哀しく感じる。


【Mermaid】まぁまぁ。真児さんClarimondeさん、それにXiaoqingさんも大切な人物とされています。


【Zhēnér】あいつらがそういう扱いをされるのはわかる。それにクラリは彼女の親しい友人だし。でもアタシは”妹々だから”くらいだからなぁ・・・。ところで人魚ちゃん、欧州では他に有名な人魚の話はないの?


Important Mermaid Story that was written by O.Wilde

【Mermaid】あるにはありますよ。Oscar Wilde(O・ワイルド)の短編集"A House of Pomegranates"(1891)に収録されている"The fisherman & his soul"(『漁夫とその魂』)がそうです。流石に全世界で見るなら叔母様に知名度で劣りますが、欧州では結構知られています。”叔母様のそれに匹敵する”という評価をもらっています。


【Zhēnér】まあ、ワイルドも大ブリテン島出身の小説家だからね。ん?アタシには人魚ちゃんが不機嫌に見える。


【Mermaid】いいえ、そんなことは。とりあえず知らない読者のために、知っている読者にはおさらいということで粗筋を語ります。いいですか?


【Zhēnér】どうぞ。


【Mermaid】若い漁師がいました。彼は漁に出て偶然に大物の手ごたえを感じる。網にかかったのは事もあろうに銀色の尾ひれと金髪を持つ美しい人魚だった。彼女は魚を引き寄せる歌を歌って漁を手伝う約束で海に返してもらう。人魚は約束通りに歌を歌い、漁師は豊漁だった。


【Zhēnér】この時に漁師は鮪を銛で突いて捕まえてます。Tunaって小さくても200㎏はあるんだぞ・・・?


【Mermaid】確かにそうですね、ワイルドはよく分かってなかったんでしょう。Bonito(鰹)くらいにしておけばよかったのに(笑)。閑話休題。漁師は日に日にこの美しくて歌の上手な人魚に惹かれていく。そしてついに彼は彼女に求婚する。しかし人魚はそれを断った。その理由は、彼には”魂”があるから。


【Zhēnér】”魂”か。これは厄介なことを。


【Mermaid】人魚と結ばれたい漁師は自分の魂をどうにか処分したい。それを叶えるためにいろいろな人に相談する。しかし司祭に叱られ、商人には馬鹿にされる。途方に暮れた折りに、街外れに住む赤毛の魔女が処分の方法を知っているらしい。彼女を訪ねてその方法を教えてもらった彼は、ついに自らの魂を切り離すことに成功する。彼は海底に潜り人魚と暮らし始めた。


【Zhēnér】おぉ、これはめでたい。


【Mermaid】しかし切り離された漁師の魂は元の身体に戻りたい。旅に出た魂は年に一度海岸に戻り、漁夫を呼び出すのだが・・・。取り敢えずはここまでにしましょう。


Those are valueful issues of this story.

【Zhēnér】人魚ちゃんがこの小説を評価するポイントがあれば、アタシはそれを聞きたい。


【Mermaid】そうですねぇ・・・主要な登場人物のうち、漁師の魂と赤毛の魔女が印象深いかもしれませんね。後者ですが、彼女にはCirceのイメージがあります。Witchcraftの名人だし、漁師に横恋慕もする。何となく彼女の方が銀の人魚よりも私たちに近い気がするのです。


【Zhēnér】確かにどこかで見たように感じたものね。まぁアイツが人魚ちゃんの叔母さんや姐姐、クラリに伍するとは思わんけど。役割としては一応”呪的援助者”になるのかな?


【Mermaid】あとは・・・この物語は「人魚が魂を得る」のではなく「人が魂を処分する」。叔母様の場合、人魚は人より下の存在なのですね(微怒)。しかしワイルドの場合、人魚は人より下の存在とは必ずしも言えない。これもユニークと言えるでしょう。


【Zhēnér】Andersenは敬虔な基督教徒(旧教)だったからねぇ。しかしWildeはそうでもない。根底部分の差かな?


Those are unsatisfied points.

【Mermaid】ただ、先述の「人が人魚に合わせる、男性が女性に合わせる」という要素には難もあったのです。本来なら最主要ヒロインであるはずの銀色の人魚が、あまりにも客体すぎる。


【Zhēnér】「人が人魚に合わせる」ということは人が物語の主体になるということ。それはある意味仕方がないのでは?


【Mermaid】確かに、ある程度は仕方がないでしょう。しかし彼女の印象が薄すぎ、目立たない。”主要登場人物の個性・印象”という点で評価するなら彼女は叔母様や先生、そしてクラリさんには程遠い。。彼女の存在をもっとしっかり描けなかったのか?という疑問・不満はあるのです。


【Zhēnér】確かにね。作中では「人魚は魂を持っていない」と娘も言っている。ワイルドは「魂を持たない≒個性・人格を持たない」と考えたのかもしれない。しかし最重要ヒロイン(ないし主役)の魅力・印象に関しては、遠く及ばないのは間違いない。


【Mermaid】この人魚は実質的に主人公でもヒロインでもなく「物語の構成要素」で終わってしまった。私としては不快なのですが、それ以上に「女性主人公が通過儀礼に挑む」という要素が消えたのが残念で・・・。正直これ、「人魚の話」って言えます?


【Zhēnér】「人魚が出てくる話」に過ぎず、「人魚が主なテーマの話」というと多少難があるわな。"Undine"のように「まず物語ありき」というのなら、叔母さんやクラリの方が上だろう。



Wilde didn't read Romantic Novel enough.

【Mermaid】人魚の存在感のなさを漁夫の魂が補っているのかもしれませんが。叔母様との相違点としては「女性が男性に合わせる」のではなく「男性が女性に合わせる」でしょうか。これはユニークかもしれない。


【Zhēnér】少し考えてみたけど、どうやらそれはそうとも言えないのよ。「人が人以外の方に合わせる」ことなら既にリントホルストのおっさんの娘婿がやってるじゃん!ゼルもあんまり自分を出さないし。


【Mermaid】あっ・・・!!


【Zhēnér】こう考えると、ワイルドを以てしても浪漫派を誤読・曲読してるのがよくわかるな。彼は単なる逆張り野郎ってわけではないのだが。うーん惜しいなあ・・・。まぁ"The Little Mermaid">>>"The Fisherman & his soul"であることが分かって良かったんじゃない?


【Mermaid】叔母様の方が上、ということは不快ではありませんが、もう少しワイルドには頑張ってほしかった。この辺りが彼の限界なのでしょうか?


【Zhēnér】ワイルドがアタシや姐々を知らないのは当然だろう。しかし人魚ちゃんの叔母さんやクラリの真髄にたどり着けなかったのは残念。クラリって本当にいい女なのに、何で理解されないのかな。やはりワイルドがLGBTQだからかな?


【Mermaid】私はそれをあまり関係ないと考えます。しかしLGBTQが必ずしも感性が豊かとは言えないのですね。


【Zhēnér】そりゃそうさ。倭国で考えたら、ホ●岡ハム威なんかいい例だろ(大笑)?そのうちあいつの笑い話(しかも実話)を大々的にやろうと考えてるんだがねえ。


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