幽霊の二人組が登場する
【Zhener】今回紹介するのは"Xiaoxie"(小謝)、著者は例によって聊斎先生です。この作品のヒロインは狐でも仙女でもなく幽霊。
【Mermaid】ということは"Nie Xiaoqian"みたいな感じですか?
【Zhener】いや、荒っぽいことは全くない。まあ何だかほのぼのしたお話だよ。
【Mermaid】ふ~ん、それじゃあ粗筋をお願いします。
因縁物の物件に引っ越した書生
【Zhener】陝西省に陶望三というかなり貧乏な書生がいた。彼はなるべく固定費を下げたいので安価な賃貸住宅を探していた。で、理想にあった物件が!
【Mermaid】当然その安さには何か理由がある。”彼女たち”が出るんでしょ?
【Zhener】そう、その通り。住宅オーナーの姜(本業:役人)は「あそこは幽霊が出て死人が出たりして危ないから」と止めるが望三は豪胆なので構わず借りた。彼は昼間勉強して夜寝るんだけど(誰でもそうか)、その際にやってきて顔を引っ張る、お腹の上に足を乗せる、紙を鼻に入れると邪魔をする。お陰で寝られない。
【Mermaid】それは困りましたね・・・。思い切って昼夜逆の生活をしたらいいのでは(笑)?
【Zhener】幽霊が昼出てこないとは限らんぞ(笑)?まあ彼はそうしてみた。これなら幽霊が出てきてもちゃんと眠れるからね。
【Mermaid】ほら、よかったじゃないですか。
構ってもらうと喜びだした幽霊
【Zhener】その後この二人の幽霊―年長がQiurong(喬秋容)、年少がXiaoxie(阮小謝)と望三はその後打ち解けてしまう。二人は料理を作ったりするし、望三は二人に読み書きを教えたりした。
【Mermaid】あららら。
【Zhener】とは言え、彼女たち(途中で小謝の弟の三郎も加わる)も望三が好きなのだ。彼は実直な硬骨漢なので恨みを買うこともあり、その連中に讒言で投獄されたことがある。彼女たちは彼の釈放のために頑張ったのだ。
【Mermaid】へえ、彼女たちはいい幽霊ですね。
【Zhener】その後望三は道で道士に呼び止められる。「妖気が漂っている」と。
【Mermaid】それはそうでしょう。ただ、彼女たちに害意はないはず。
【Zhener】それを望三は道士に話した。すると道士は「彼女たちを大切になさい」といい、お札を二枚書いて彼に渡した。その使い方は・・・?とりあえず、ここまで!
秋容と小謝の謎
【Mermaid】でも不思議です。この二人がいた物件は死人が出るくらいの因縁物だったんでしょ?どうして望三さんには何もなかったの?
【Zhener】答えは簡単、陶望三が実直で豪胆、かつ誠実な人物だったから!私もこうならなければならないなあ。無理かな?
【Mermaid】そういう理屈なのですね。じゃあ、彼女たちが幽霊になったいきさつは?
【Zhener】それらには一切言及がなかった。だからあまり知られてないのかな?