Zhener informs the tale that relates "Summer Festival"!
【Zhener】♪笹の葉サラサラ~
【Mermaid】何ですか真児さん、鼻歌なんか歌って。
【Zhener】今年も七夕が近いからね。しかし倭国ではこの時期雨ばかり降って十分に楽しめないわけだ。東北地方は旧来通り八月にやるんだけど。
【Mermaid】そんなこと言ってる場合じゃないですよ!西倭国の熊本南部では集中豪雨で水害が起きてしまったし!報道では建物の二階まで濁流に飲まれてしまったとか。
【Zhener】毎年七~八月は大雨なのよ。しかしCovid-19との連続攻撃は痛いわな、例えるなら姐姐の倒巻肱→体落とし→四点関節技みたいなモンだから。商店によってはこれで廃業決定するところが多くなるかも。熊本県は15年にも大地震があったし、つくづく大変だ。まあ倭国人はあまりこのことを気にしないらしいですけどね。
【Mermaid】真児さんは倭国人が嫌いだったのに、ずいぶん心配してますね。
【Zhener】悪いかよ。でもまあ不幸を望んでるわけでもないからねえ。私みたいな大水害そのものの奴が言うのもなんだけど。
【Mermaid】これだけ枕(導入部)が長いということは、今回のお話は七夕か水害ですね。どっちですか?
In Shaoxing City, JianHu is meaned "the Mirror Lake".
【Zhener】そりゃ七夕に決まってんでしょ、人魚ちゃんどうしたのよ。それもまあ、杭州新宮らしい話を。Shaoxin city紹興市にはJian Hu(鑑湖/means "Mirror lake)って湖があるのよ。名物の紹興酒はこの湖の水を使うんだけど。『鑑湖夜泛記』(Qu You(瞿佑))はその湖で起きた出来事です。ただ、世間一般の七夕のイメージをぶち壊すような内容でねえ・・・。
【Mermaid】ぶち壊すような内容?それはまた穏やかではない・・・。
Cheng Lingyan(成令言) floated on the Jian Hu. And...
【Zhener】時代は天暦年間(1328-29)、場所は会稽(浙江省紹興)。Cheng Lingyan(成令言)という人物が住んでいた。彼は出世栄達には興味がなく、会稽の山野を愛していた。彼の人柄はよく知られていて、皆に好かれていた。私とは真逆だな。
【Mermaid】なるほど。それで?
【Zhener】ある秋の夕方、彼は自分の舟を鑑湖に浮かべて美しい空や風や音を楽しんでいたら、なぜか舟が動き出した。舟はどんどん速くなり周囲の景色は一瞬で去ってしまう。
【Mermaid】それは彼が流されているのでは・・・?危ないのではないですか?
【Zhener】まあまあ。で、流れていくうちに舟は止まる。しかしそこは妙に寒いがとても清らかで美しい場所だった。
【Mermaid】この世ならざる光景、というところでしょうか。
【Zhener】そこには真珠で飾られた堂々たる宮殿があり、その中からシルクの服を着て翡翠つくりの髪飾りをつけた女性が現れた。彼女は”星眸月貌”、星のように輝く瞳と月のように整った顔立ちの美女だった。しかし表現が凄い!
【Mermaid】こんな無茶苦茶な形容のされ方を聞くと私でもわかります。彼女は仙人ですね。でも、仙女って大抵美人ですよね?不自然な気もしますが・・・。
織女、大いに文句を言う
【Zhener】生命が終わるのが自然。だから仙女が不自然でも特に変じゃないよ。勿論容姿が優れているとは言えない仙人もいるにはいるけどね。さて戻ろう。この仙女は成令言の人となりを知っていて、それでいい機会だから自分のところに呼び寄せた。どうしても世間に広めてほしいことがあるという。彼は彼女にそのものすごい宮殿の中に招かれた。今いる場所はいわゆる天の川であり、彼女はZhiniu(織女)だという。
【Mermaid】まあこれだけ凄いもの見せられたら流石の彼も信じるしかないでしょうね。
【Zhener】令言はめでたいことには違いないが、なぜ自分が呼ばれたのか尋ねてみた。すると織女は答えた。自分は仙女で玉帝の孫である。その自分がなぜQiannui/Niulang(牽牛/牛郎)などの嫁にならなきゃならないのか。あれは全て出鱈目である、という。勿論この説を最初に言い出した"Jixie"(「斉諧」)も、それを広めた柳宗元のQiqiaowen(乞巧文)も出鱈目だ。そのことを地上で広めてほしいと織女は令言に頼んだ。また彼女曰く、仙女が地上で嫁になる話は大体作り話である。彼女としてはそれは相当耐え難い屈辱だったそうな。
【Mermaid】それでいったらErlangShen(二郎神)さんも人間世界のフィクションということになってしまうのでは・・・それでいいんですか?
【Zhener】その辺は都合よく片付けるんだろう。その後幾つかの質疑応答があった後彼は帰宅する。仙界のお土産をもらった上で。
【Mermaid】確かにユニークな着眼点だけど、正直聞きたくなかったなあ・・・。
But, this is limit of Qu You's ability
【Zhener】ユニークではあるが考えが足りないとも思うわね。この辺が瞿佑の限界なのだろうね。
【Mermaid】まあ、あまり積極的に受け入れたいとは思いませんね私も。
【Zhener】知れたこと。「牛郎織女」は所謂”四大民話”の一つだ。うちの姐姐もその一つだけど・・・。
【Mermaid】”四大”とは言われますが、実質的に白先生の一人勝ちと言われています。受けやすい性質があったのですけど。
【Zhener】そして”四大民話”ってのは、”意志を持つ女性の異議申し立て”という側面を持っている。だから織女がこういう行動を取るとは考えにくいのよ。
【Mermaid】確か真児さんは織女さんにあったことがあるのですよね?
【Zhener】姐姐のコネでね(苦笑)、持つべきものは顔の広い姐だわ。基本的にいい人(仙女だけど)だったよ、「真児さんにもきっといい人が現れるから頑張って」って(苦笑)。多分成令言があったのは織女の偽者だろう。
【Mermaid】ああよかった、子供たちの耳に入ったらどうしようと・・・。
【Zhener】まあ、瞿佑が夢龍や聊斎先生ほど名前が残らなかったのはこの辺もあるんでしょうな。
Currently Tanabata Festival?
【Mermaid】では今回の最後に七夕について。七夕と言えば笹に短冊をつけます。その短冊には願い事が書かれています。
【Zhener】最近は七夕に限らずクリスマスでもやってるよ。
【Mermaid】・・・あまりイメージがよくないですね・・・。
【Zhener】さらに競馬場や競輪場、宝くじ売り場などにもあるよ。場違いだとは思うけど・・・。