La Zambinella, met Salamander Lindhorst.
【Zambinella】はじめまして。真児さんの紹介で本日は記事を任された、La Zambinellaです。本業はオペラ歌手をやっています。確かSalamander Lindhorstさんも音楽には造詣が深いと彼女に聞いています。それで私が適任なのかな、と。
【Lindhorst】これはこれはFraulein Zambinella、こちらこそはじめまして。それにしてもあなたは容姿が優れていますね。とても・・・。
【Zambi】・・・いきなり胸を揉んだりしないのは真児さんと比較してまだましか。
【Lindhorst】これは申し訳ない、私の配慮が足りなかった。この記事では"Rat Krespel(クレスペル顧問官)(E.T.A.Hoffmann,1818)を紹介するつもりです。一般的なホフマンのイメージは”怪奇的なもの”なので、それを望むなら外れと感じるかもしれない。
【Zambi】しかし、ホフマンの一般イメージとは異なる世界を楽しむことができます。ただ私としては複雑だなぁ・・・。彼女の目的が何となくわかってしまいました。
【Lindhorst】それにしても真児は意地悪ですねぇ。なぜこんな部分だけでもお姐さんに似なかったのか・・・。
Krespel, is an eccentric lawyer
【Lindhorst】ある街に変わり者の法律家がいました。彼の名はKrespel。多芸多才な人物で、自分でデザインした服を着こなし、自分で大工や左官に指示を出した家屋を立てたりしていた。
【Zambi】流石に縫製や大工仕事は職人に任せたのですか。でも素人の指示で上手くいくのかしら?
【Lindhorst】普通はそう考えるでしょう?確かに服は一見奇抜だがとても機能的で心地よくできていたのです。また一軒家は一見すると変てこなのだが、中に入ると印象は一変する。とても快適な住み心地だったのです。食事の際に出た骨を使ったおもちゃを食事に呼ばれた先の子供たちのために作るなど、とっつきにくそうに見えて皆に親しまれていた好人物でもあった。
【Zambi】話を聞いているだけで面白そうな方ですね。ところで彼は本業は法律家だったそうですが、そっちはどうだったのですか?
【Lindhorst】彼は法律家といっても役人(法務官僚か)だったからねえ。でも有能でしたよ、まるで私みたいに!
【Zambi】最後の文章の中で聞こえない部分がありました。聞こえた部分だけ繰り返します。”クレスペル氏は法律家としても有能だった”、でいいですか?
Krespel & Antonie, she is mysterious fraulein
【Lindhorst】・・・ザンビ、君も真児程ではないけど何気に毒気があるねぇ・・・。おおむね皆に好かれているKrespel。しかし彼にも触れられたくないことがあった。彼の屋敷にはAntonieという名の若い女性が住んでいる。彼女は大変な美声と歌唱技術を併せ持っていた。そして彼は頑なに彼女を世間に紹介しなかった。
【Zambi】衣装デザインといい建築プロデュースといい、自己顕示欲と能力が高くてはじめて可能なものです。そんな彼が同居女性を他人に披露したくないとはこれは一体?まさか、他人に会わせられない理由があるのですか?
【Lindhorst】・・・さて、続きを。そしてそれからしばらくして、墓地に誰かが埋葬された。Antonieだった。Krespelは相当ショックだったのか、バイオリンの弦を折ってしまうほどだった。世間は「彼はとうとう気が触れた」と噂した。しかし学生は何が起こったのか真相が知りたくて、とうとうクレスペル本人に尋ねてみた。
【Zambi】度胸のある学生さんですね。でも何が真相だったのですか?まさかKrespelさんがAntonieを・・・?
【Lindhorst】結論から言えばそうではない。Antonieはクレスペルの一人娘だった。彼はバイオリン収集家でもあり(後に自らバイオリン作りを行うようになる)、その趣味が高じて20年前イタリア半島まで旅行していた。
【Zambi】なおホフマンの生きている間には”イタリア”という国はありません。あくまであのブーツみたいな半島の総称です。
【Lindhorst】そのイタリア旅行で大変に実力のあるオペラ歌手のAngela-iと結婚してしまう。しかし妻は大変な変人でクレスペルは相当な苦労をすることになった。そして、この夫婦の間に生まれた娘がAntonieなのです。
【Zambi】あぁ、アンジェラさんですか。彼女は結構達者な歌手でした(私ほどではないけれど・・・)。
distance of Hoffmann between Balzac
【Lindhorst】さてザンビさん、一通り読んでみた感想はいかがですか?
【Zambi】私の気持ちは複雑です。というのはHoffmannの方がHonore de Balzacより上ですもの。Antonieは母の歌手のAngela -i。彼女がバルザックだと私になっちゃうわけで。
【Lindhorst】ザンビさん、ご自身を卑下するのはよくないですよ?
【Zambi】いいえ、卑下ではありません。この物語は”現実の世界”で完結しています。ならば”現実の登場人物”だけで構成されるべきなのです。現実世界の住人たる私Zambinellaを"Freaks"にした時点で、バルザックの敗北でしょう・・・真児さんやClarimondeさんもこう評するんじゃないかな?
【Lindhorst】なるほど。少なくとも奇を衒った(そしてそれが妥当とは言い難かった)バルザックよりも衒わなかったホフマンの方が優れている、ということですね。
【Zambi】そういうことです。・・・でも作者に対して酷評するのは、結構つらいですね・・・(泣)。
【Lindhorst】Still, still, Verehrter! klagen Sie nicht so!あの真児なんてあなたの比ではありませんから!
【Zambi】私はそう言われても、あまり嬉しくないですね(苦笑)。勝って当然の相手ですもん!ん?・・・Zh...真児!あなた、何故ここに(ブルブル震える)!?