可愛らしい呑み友達
【Zhener】今日紹介するお話は "Friend of drinking together（酒友） "。聊斎先生の作品です。まぁ建前上は再話なんでしょうが・・・。
【Bainiang】えぇと・・・真児、今回は私が紹介するのですか？
【Zhener】今回は姐々が紹介するのよ。
【Bainiang】それでは始めましょう。あるところに車という方がいました（生員）。彼は特に裕福でもなかったのですが生来お酒が大好きで、夜は眠るまでかなりの量を飲んでいました。そんなある夜に車さんは目が醒めて寝返りを打ったら何かが横にいる。触るとふさふさしている。灯りをつけて確かめると、それはお酒を飲んで眠ってしまった狐でした。
【Zhener】この狐、畜生の分際で盗み飲みか！これは襟巻にしてしまわないと。
【Bainiang】狐にとって幸運だったのは発見者が真児ではなく車さんだったこと。“此我酒友也”と笑って狐が目を覚ますまで観察していました。目覚めた狐は儒者の格好をした若者に化けて捕まえなかったことに礼をし、車さんはこれからもお酒を飲みに来るよう言いました。飲み仲間の誕生ですね。
呑み友達の恩返し
【Zhener】車さんは私と異なってなかなか温厚な人物だね。
【Bainiang】一人と一匹はそれから何度も会って（狐が車さんの家を訪れて）お酒と会話を楽しんでいました。そのうちに狐は何か恩返ししておこうと考えました。まずは“去此東 南七里，道側有遺金，可早取之”と言いお金を拾ってきます。
【Zhener】あぁ、その手があったのか。私もそうしとくんだった・・・。
【Bainiang】現在ならネコババなんでしょうが、所有権が消滅しているのでいいのでしょう。さらに狐はこのくらいでは足りない、“市上養价廉，此奇貨可居”と言い出して投資を始めてしまいます。荞(蕎麦)の種籾を大量に買い込んでおきました。
【Zhener】蕎麦は救荒作物だからねぇ。でも投機って？
【Bainiang】真児、いい機会だから説明しておきます。結果があらかじめ約束されていないものに資本を投下し、かつ勝利することを投資といいます。そして逆の結果を投機といいます。いいことに日照りが続いて作物は荞くらいしか育たなかったので車さんは大儲けできました。
【Zhener】狐に酒飲ませるといいことあるんですね。私も早速あの阿呆に飲ませてやるかな。
【Bainiang】真児、無理やり飲ませてはいけませんよ？
この狐に対する疑問
【Zhener】まぁこの話に限らず、狐って予知能力あるからねぇ。ところで姐々、何でこの狐は車さんの所に行って酒飲んでたんだろう？銭を拾ってこれるんなら自分で酒買って飲めばいいのに。
【Bainiang】ん？それでは話が始まりません。あと一匹で飲んでいても面白くなかったんでしょう。
【Zhener】姐々はお酒飲まないけど私は飲む。涼しくなったし、クラリと飲みに行きたいな。
【Bainiang】ほどほどに飲んでくださいね。この間みたいに前後不覚になって帰ってこられるのはちょっと・・・。
