Clariの衝撃から15年後の作品
【Zhener】今回は"Arria Marcella"(Theophile Gautier, 1852)を紹介します。
【Clarimonde】私の話から15年後にTheophileが書いた話ですね。
【Zhener】そうです。しかしまぁ、残念だなあ・・・と。
【Clarimonde】私としては微妙ですね・・・。後追いは先行者を検討できるから、優れていないといけないのに・・・。
ポンペイ観光を楽しむ青年の不思議な体験
【Zhener】帝政ローマ期に火山の噴火で埋もれた古代都市Pompei(ポンペイ)。そこに3人の若者が旅行にやってきた。その内の一人のOctavien(オクタヴィアン)は感受性が強く、そしてそれが不思議で恐ろしい体験を彼にもたらす。
【Clarimonde】彼はポンペイ遺跡から出土した女性の胸部の型に釘付けになる。奇跡的に美しい形をとどめていたのです。
【Zhener】友人たちは土地のお酒を楽しんでいたのだがOctavienは大して飲まずに街を散策する。どれほど歩いたのかわからないほど歩いたら、道行く人々の服装がおかしい。あろうことか、AD1世紀ごろのポンペイに紛れ込んでしまった!
【Clarimonde】そしてOctavienは彼が心を奪われた胸の持ち主であるArria Marcella(アッリア・マルチェッラ)と出会う。彼女は大変な美女だった。そして・・・
この話は”双魚のさげさがり”?
【Zhener】つくづく思うんだけど、ゴーティエって中文のエッセンスがそこはかとなく感じられる。なんで浪漫派や仏文研究者はそれを指摘しないんだ?
【Clarimonde】単純に知らないだけでしょう。私の時もそうでしたけど。
【Zhener】中文にしてもコレ、姐姐やクラリよりも”孔淑芳双魚扇墜記”に近くない?
【Clarimonde】そうですね・・・。
Is Clari greater than Arria?
【Zhener】作品をざっと読んでみると、それぞれの作品のヒロイン(主人公?)に明らかに差がある。クラリは”3つの要素”を持ってるがアッリアは単に過去の亡霊で終わっている。その辺が物足りないよな。
【Clarimonde】ゴーティエは私のときにそれなりに批判・非難をもらったようです。その程度に屈する作家さんではないと思いますけど。
【Zhener】屈したのでなければ、才能がすでに枯渇したってことだろうか?それだとクラリは相当すごい。奇跡のような●●●●だよ・・・。
【Clarimonde】真児、いったいその手は何ですか?