"Undine" is valued "tired works" by Zhener.

真児、かなり不機嫌に紹介する

【Zhener】今回は"Undine"(『水妖記』, 1811)を紹介します。Friedrich de la Motte Fouqueの代表作ですねえ、チッ。


【Lindhorst】一応世間では名作、ということになっていますが。ん?真児さん、何だか不機嫌そうですねえ?


【Zhener】そりゃそうですよ、この話はどうも魂胆が・・・。


【Lindhorst】まあそれもおいおいと。


泣けばそれでいいのか?

【Zhener】登場人物がみな、台本に沿って動いているだけという気がする。というか、あいつら個性が全くないだろ?アレ、いいのかよ?


【Lindhorst】う~ん・・・フーケーには登場人物の個性は必要じゃなかったのかもしれませんね。登場人物が魅力的であればあるほどいいのは論を待たないのですが。その点についてですが補足で言いたいのですが、構いませんか?


【Zhener】ええ、どうぞ。


【Lindhorst】物語の分類はいろいろあるのですが、ここでは”シナリオ”と”登場人物”の主従について論じます。”シナリオ”が主で”登場人物”が従の場合と、その逆の場合。"Undine"は前者で、Bainiangや人魚ちゃんの話が後者ですね。真児さんはどっちが好きですか?


【Zhener】アタシは姐々も人魚ちゃんもクラリも好きだから後者だわな。


【Lindhorst】後者の場合は登場人物が動きまくって物語が出来ていく。なので登場人物が魅力的であればあるほど望ましいのです。そう考えればBainiangもClarimondeも魅力的で一筋縄では行かないなぁ。世間のイメージとは裏腹に人魚ちゃんの叔母様も。


【Zhener】なるほどね。その点前者の場合はまずシナリオありき。なので登場人物の魅力や個性は特に必要ないもんな。


【Lindhorst】あるに越したことはないのでしょうがね。また”シナリオありき”であっても物語自体に面白さや魅力があればそれほど欠点にはならない。例えば、北米大陸内陸部の百姓夫妻の養女とその飼い犬の話などは。


【Zhener】確かにあの娘よりも二体と一頭の従者の方が印象深いからなぁ。


【Lindhorst】しかし"Undine"は"OZ(1st)"ほどのシナリオではなかった。登場人物が引き立つわけでもなく、物語に言うほどユニークさもなかったし。


【Zhener】あと「とにかく客を泣かせる!泣かせたら勝ち!!」みたいなのが透けて見えない?私はそう感じたね!


【Lindhorst】でもあんなものでも一応の見るべき価値はあるでしょう?例えば、人魚ちゃんのこととかで。


一応、一里塚みたいな存在

【Zhener】私でもそれくらいは知っている。ドイツ系の奴は必ずこれを言うんだ。"Undine"は人魚ちゃんの叔母さんのルーツ、の一つでしょ?まあ出来栄えに天と地の差があるせいであまり比較対象されないし、「批判的に脱構築・再構築された」とも言わないけど。以前頭の足りない倭国人がamazonの書評で"Undine" is better than "Die kleine Meerjungfrau"とか書いててひっくり返ったよ。コイツ相当なアホだって・・・まあ倭人だから仕方ないのか。


【Lindhorst】物知らずはどこの地域にもいますよ。そいつだけがそうじゃない。人魚ちゃんの叔母様ほどの品質や価値こそ持たなかったが、それが出てきたのであればまあいいんじゃないかな?


【Zhener】でもさ、「凡庸な作品です」ということは共通認識になっててもらわんと困るのよ。なんか私が書くと哀しく感じるけど。


【Lindhorst】Still, still, Verehrter! klagen Sie nicht so!真児さんがそれだけの考えを持つようになったというのは、あなたが進歩・成長している証拠ですよ!!まあそこで止まらずに私や娘や義息子にも触れてほしいのですがね・・・。


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