早い段階のロマン派小説家
【Zhener】この記事ではフリードリヒ・ド・ラ・モット・フーケー(Friedrich de la Motte Fouquē 1777-1843)を少し取り上げる。私は私的にはあまり好きではない。コイツも下級貴族なのか・・・。
【Lindhorst】まあまあ、落ち着いて!当時の物書きのほとんどはある程度以上の階層の人たちだったんですから!
【Zhener】人々がこいつについて言及するのは3つだけだね。一つは生まれ。二つは結婚のこと。最後は後述。さて結婚について。私は彼は二度結婚したと聞いている。彼は最初の妻とは周囲の人々に別れさせられたんだよな?
【Lindhorst】ええ。彼はその時の悲しさつらさを小説に投影させました。それが彼の代表作なのですね。
偉大な?踏み石
【Zhener】それは"Undine"(1811)だろ?私はアレを名作とは思ってないよ。おっちゃんは私がそう言う理由を分かるだろ?
【Lindhorst】ええ。真児さんだけでなく人魚ちゃんやクラリさん、そしてあなたのお姐さんも。確かにあなたたち姉妹がアレを「大したことない」というのは理解できます、そしてそれは正しい。ただしそれはあなたたちだけが言えることだろうとも考えます。
【Zhener】持って回った言い方だね。アレは「運命は変えられない」ってことだろ?身も蓋もなく言えば。
【Lindhorst】それは当時の小説家の限界なのでしょう。だからこそお姐さんの偉大さが引き立つわけで。それと"Undine"には他の役割があるのです。それは"stepping stone"。
【Zhener】"stepping stone"?
【Lindhorst】そうです。H.C.Andersenはこの作品を批判的にとらえました。そしてその姿勢は"The Little Mermaid"を導き出した。これでいいではないですか。その証拠に現在ではフーケ―とアンデルセンは後者の方が格上です。ゴーティエも同様ですよね?