"Hé Dáqīng harbored a grudge against & left it to his belt" is so interesting, because it is too silly.

私たちは気が滅入る

【Zhēnér】私たち杭州新宮は現在事務所に籠っています。あぁ、海にでも行きたいなぁ・・・。適当な男がいたらなおいいんだが・・・。


【Clarimonde】倭国はCovid-19対策に完全に失敗してますからね。でも海は結構暑いので、川のある山なんかの方が私は行きたいですね。飲めるくらい綺麗な冷たい水が流れる裸で泳げるくらいに人のいない川。真児に連れて行ってもらった十津川は私もお気に入りですよ。10年前に台風による山崩れがあったと聞いていますが・・・。


【Zhēnér】清流を裸で泳ぐクラリか、あれはよかった。本当にまた見たいね、人魚ちゃんとはまた違った趣があるんで(一応、私女ですが)。新宮市も十津川村も吉野町も、人がいないだけで結構いいところなんだけどね。あと紀伊田辺。川湯温泉がいいよね・・・。


【Clarimonde】凡百の人魚に泳ぎで勝つあなたが何言ってるの(笑)?一方で倭国では、東京の歓楽街の住人がCovid-19対策で休業した際に沖縄県を旅行し、当地で感染拡大するというひどいことになってしまいました。


【Zhēnér】まぁ倭国にとっては琉球は異民族の土地だから、何してもいいんだろうよ。上手いこと琉球が独立してくれたらいいんだが・・・。とりあえずは、「不要な外出は不幸を招く」ってことでいいんじゃねぇかな?


【Clarimonde】話の枕が上手に進みましたね。では本題に行きましょう。


遊び人、美人尼僧に出会いとろける

【Zhēnér】今回紹介するのは"Hé Dáqīng harbored a grudge against & left it to his belt(「赫大卿遺恨鴛鴦縧」)"。これも弊ブログ一押しの天才小説家、Fēng Mēnglong(馮夢龍)の作品です。遊び人の男が美人の誉れ高い尼僧に入れ挙げた結果エライ目にあってしまうというお話ですわ。


【Clarimonde】まぁ遊び人の男にろくなのはいませんから、自業自得なんでしょうけど。それでは粗筋を。


【Zhēnér】宣徳年間(1426-1435)の広西省臨江府新淦県にHé Dáqīng(赫大卿)という遊び人がいた。実家は裕福だがかなり資産を食いつぶしていた。当然妻にも愛想を尽かされていた。しかし懲りない彼は清明節(大体四月の頭頃)のある日に街に繰り出した。色々歩き回って彼は「Fēikōngān(非空庵)という尼寺には美人の尼僧がいる」という噂を聞き訪問する。


【Clarimonde】仏教徒ではない私が言うのも何ですが、罰当たりな男ですね(笑)。


【Zhēnér】その非空庵で彼を応対したのが尼僧のKōngzháo(空照)。彼女は噂に違わぬうら若き美人だった。その上これは外見からは分からないことだが、彼女は実は淫蕩な性格の持ち主だった!好色な色男と美女同士、しかも尼寺の庵主は寝たきりの年寄りで表に出られない。これで何も起きないはずがない!


【Clarimonde】まぁ素敵♥♥♥ Welcome to the paradise!!


快楽も度が過ぎると苦痛になる

【Zhēnér】さてこの非空庵はDongyuàn(East Temple/東院)とXiyuàn(West Temple/西院)の二院構造。空照は東院の管理者でもある。では西院の管理者は?それはJingzhēn(静真)という(何故か)美人の尼僧、年齢は少し彼女の方が上。彼女は環境の変化を目ざとく察知し「空照が男を連れ込んで淫事に耽っている」ことを突き止めた。そして・・・。


【Clarimonde】「私も男が欲しいから少し赫大卿を貸せ」と言ってきた!


【Zhēnér】そうです。かくして赫大卿は空照とその弟子の少女尼僧二人、そして新たに静真の四人と毎日くんずほぐれつすることになったのですねぇ。いやぁあやかりたいですなぁ(笑)。


【Clarimonde】でも男性は女性とは異なり、自ずと限界があるのですね・・・それは大丈夫だったんですか?


赫大卿の幸福な?最期

【Zhēnér】当然大丈夫なはずはない。さしもの遊び人も好色極まる尼僧二人と覚えたての弟子二人との荒淫な日々が二ヶ月も続けば流石に疲れ果ててくる。赫大卿はことあるごとに「そろそろ家に帰りたい」と尼僧たちに言うようになる。


【Clarimonde】まあ色々面倒くさいことも起きそうだし、せっかく転がり込んできた男をおいそれと帰すつもりはないでしょう?


【Zhēnér】空照と静真は別れの宴席を設けることにした。宴は楽しく進み、大卿もお酒がどんどん進む。そして眠る。目を覚ました彼は異変に気付いた。なんと彼の髪がすべて剃り上げられているのだ!


【Clarimonde】あらまぁ♥♥♥それじゃあ彼、家に帰れないじゃないですか?


【Zhēnér】仕方ないので彼も尼僧の格好をして暮らすようになった。そしてラストスパートをかけるが如く淫蕩な日々はエスカレートし、とうとう彼は消耗し尽くしてしまった(大笑)。でもいつの時代でも男は余っている。一人とさえたどり着けない者も多いのだから、荒淫で果てるのも悪くはないかもね?


【Clarimonde】まぁそうかも知れませんね。でもあの夢龍のことです、これで終わりなことはないでしょう?


そして事態はとんでもないことに

【Zhēnér】はい、当然続きがあります。赫大卿夫人の陸氏はいつまでたっても夫が帰ってこないことに不審を抱き始めた。まさか事件か事故に巻き込まれたのでは?そんな折り、雨漏りの修繕を依頼した大工の一人が夫が愛用していた腰紐(ベルト)を締めていたのだ。彼にそれをどこで入手したのか尋ねてみると「非空庵の屋根裏で拾った」と答えた。


【Clarimonde】まさか奥様は非空庵に乗り込もうと?


【Zhēnér】勿論単身ということはなく、一族郎党を武装させて。そして裏庭から(不自然に埋められた)棺桶から衰弱死した尼僧の遺体を掘り返すのだが、これが赫大卿じゃなかったら重罪になる!・・・まぁこの話の粗筋はここまでにしておきましょう。


無駄なエネルギーがあふれまくったパワフルな作品

【Clarimonde】それにしてもこの作品の主要人物はエネルギーが満ちています。そしてそれが何故か全て性欲の方に向けられているのも楽しいです。


【Zhēnér】これは姐姐小青と話し合って同意を取れたことです。Fēng Mēnglong(馮夢龍)は欲望を肯定する」。その基本方針が出ているんでしょうね。まぁその欲望のレベルが姐姐やクラリに較べて相当低いってのはあるんですが。


【Clarimonde】そんなに私の欲望がレベルが高かったとも思いませんが・・・まぁ有難う、真児。


【Zhēnér】あとあれだな。清明節という意味ありげな時期に始まる物語なのに関わらず、みんな”現実の世界”のなかで完結している。この辺もザンビネッラよりも上なんだろうな。


【Clarimonde】成程。Fēng Mēnglong>>Theophile Gautier>>Honore de Balzacということがまた理解できました。浪漫派小説家はHoffmannよりもMenglongを読むべきだったのに・・・。


【Zhēnér】まぁ19世紀では、それも仕方なかった。21世紀では・・・私たち杭州新宮の頑張りが、どれだけ多いとは言えないまともな連中に届くかかな?


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